「建築は妥協だ。」

この言葉、私が建築学科の学生時代に流行った言葉です。

建築家の先生の言葉なのか、

建築学科の先輩の言葉なのかは定かではありませんが

当時の私はプレゼンの完成度に使っていた言葉でした。

当時はロットリングで図面を書き

その上にエアーブラシで色付けをしていました。

やればやるほど図面が美しくなりどこかで

妥協をしないかぎりエンドレスだった記憶があります。

しかし、この言葉の本質はプレゼン段階ではなく

プランニング段階の言葉だと分かったのは、

職業として建築を始めたしばらくしてからです。

プランニングは考えれば考えるほど悩みます。

プランニングは悩まないで決定するほど甘いものではありません。

反対に悩みぬくほど満足したプランニングになります。

解を得たいために悩みますが、

悩んだ末の解が、一つとは限りません、

残念ながら複数の解が出てくることがほとんどです。

この段階にきて初めて

「建築は妥協だ。」

この言葉に行きつくのです。

どこかで大胆に決め打ちをする、

この芸当は悩んだ人にだけ与えられる事です。

妥協は悩んだ人にだけ選べます。

少なくとも建築の世界ではそうなのです。

考えて、考えて考え抜かなければ、

やっぱり建築は楽しいです。

木のすまい工房は考えて考え抜く

そんな集団にします。

皆様、これからも木のすまい工房をよろしくお願い致します。

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